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「白衣の天使」寝たきり患者に向けられた悪意(産経新聞)

 兵庫県佐用町の佐用共立病院の看護師が、入院患者の肋骨(ろっこつ)を折っていたとして兵庫県警に傷害容疑で逮捕、起訴された。狙ったのは寝たきりで意思疎通ができない高齢者。周囲から「まじめ」「おとなしい」とみられていた看護師は「職場での人間関係がうまくいかず、イライラしていた」という身勝手な理由で、助けを求めることのできない高齢者ばかりを狙い続けた。「白衣の天使」ともいわれる看護師が重ねた悪質な犯行は、多くの患者と、その家族に不安と衝撃を与えた。看護師が犯行に手を染めたきっかけとは…。

 佐用共立病院で患者の異常が発覚したのは平成20年12月8日。女性患者=当時(85)=に呼吸の異常があり、検査をしたところ肋骨4本が折れているのが分かった。その後も同年12月末までに、75歳女性の肋骨5本、99歳男性の肋骨7本の骨折が判明した。

 患者は全員が肺炎を患っており、骨粗しょう症などで骨がもろくなっていたため、せきをしたり体位を変えただけでも骨折する可能性があった。このため病院は当初「病気による骨折」と判断。事件性について疑わず、この時点では警察にも届けなかった。

 しかし、その後も患者の肋骨骨折は相次いだ。4件目となる78歳の女性の骨折が判明したのは翌21年1月5日。事態を重く見た病院側は、故意に折られた可能性もあるとみて看護師ら20人を聞き取り調査したが、外部からの不審者は浮上しなかった。このため内部犯行の可能性も視野に入れ、専門部会を設置。1月15日になって県警佐用署に届け出た。

 ところが、4日後の19日にも85歳女性、88歳女性の2人が肋骨を骨折していることが分かり、わずか1カ月あまりの間に6人の患者が不自然に骨折する異常事態となった。

 原因不明のなか、病院は夜勤の看護師を2人から3人に増員。骨折患者が病棟3階に集中していることから、3階廊下に防犯カメラを8台設置、骨折患者が出た4つの部屋にも1台ずつカメラを取り付けるなどの対策を取った。すると、患者の骨折は収まり、内部犯行の可能性が高まってきた。

 目撃者がいないことから県警の捜査も難航したが、当時の看護師の勤務状況などから、1人の看護師が浮上した。骨折した6人の患者を担当していた羽室沙百理被告(26)=傷害罪で起訴=だった。

 県警は今年3月11日、羽室被告について、85歳の女性患者の胸部を両手で押さえるなどして肋骨を12本折ったとして逮捕。その後も88歳の女性患者の肋骨を折った容疑で再逮捕した。

 羽室被告は、被害患者6人のうち3人の異常を報告した第一発見者だった。しかし病院が羽室被告に聞き取り調査を実施した際、「第一発見者なので私が疑われるのですか」と涙を流して否定していたという。

 羽室被告は調べに対し「職場の人間関係にイライラしてやった」と6人全員を骨折させたことを認めたうえで「体重をかけて胸を押すと『ボキッ』という音がした」と供述したという。患者は胸が陥没するほどで、強く圧迫されたことがうかがえる。

 人間関係のトラブルが背景にあったとみられるが、羽室被告は「患者のたんの吸引をしようとしたが、手で振り払われた。感謝してくれない」「自分が周囲から評価されていない」などとも感じていたといい、「異常を発見して自分をよく見せたかった」とも供述しているという。羽室被告は看護師の仕事に過度のストレスを募らせており、それが弱い立場の高齢患者へと向かっていったとみられている。

 羽室被告の逮捕を受け、病院は羽室被告を3月11日付で懲戒免職としたが、職場では「まじめで熱心」と評されていた。

 逮捕後に記者会見した穀内隆院長らも「本人はおとなしく明るい子。仕事も熱心だったので非常に驚いている。患者やスタッフとのトラブルもなく、信じられない」などと話している。

 骨折した6人は、昨年7月までに全員が死亡した。県警は司法解剖の結果、死因は肺炎などとし、骨折と死亡の直接的な因果関係がないとして、傷害致死容疑ではなく傷害容疑を適用した。

 しかし、6人のうち3人は、骨折が発覚してから1週間以内に死亡しており、穀内院長は「呼吸状態が悪くなったのは、骨折の影響もあると思う。司法解剖では死因との因果関係がないといっても患者は痛みを感じ、呼吸に悪影響を及ぼした。個人的には死期を早めてしまったのではないかと思っている」という見解を示している。

 同病院や県警によると、羽室被告は、佐用町内のマンションに住み、昨年10月に長女を出産して育児休暇中だった。長女と病院を訪れて母親らしくほほ笑む姿もみせていたという。

 出身は佐用町に隣接する宍粟市。尼崎市の看護専門学校を卒業後、平成18年に正看護師免許を取得し、尼崎市内のクリニックで働くことなった。その後、同年9月から佐用共立病院にパート職員として勤めることになったが、わずか7カ月で退職した。

 翌年4月には宍粟総合病院に移ったが、同病院も1年で辞め、20年4月から正職員として佐用共立病院に戻っていた。短期間での退職には人間関係のトラブルなどがあったとみられるが、以前勤務していた病院では患者を骨折させるケースはなかった。

 医療関係者が病院内で患者に暴行するなどして逮捕された事件としては、北九州市の北九州八幡東病院で平成19年6月、元看護課長が高齢の女性入院患者の足のつめを剥離(はくり)させていた事件のほか、今年3月には京都大学付属病院(京都市左京区)で入院中の女性患者の血中から高濃度のインスリンが検出され、不必要なインスリンを多量に投与したとして、殺人未遂容疑で看護師が逮捕された事件などがある。

 今回の事件は、重労働の看護師がストレスをためないようにするには、病院はどのような対策を行えばよいのか、病院の人事管理についても多くの課題を浮かび上がらせたと言える。

 事件後の記者会見で穀内院長は「彼女のストレスをフォローアップできなかったことを反省したい。今後このようなことが起きないよう、職員の精神的なケアをしていきたい」と述べ、再発防止と信頼回復に向けての取り組みを進めている。

 傷害罪に問われる羽室被告の刑事裁判は5月末、神戸地裁姫路支部で始まる。起訴内容については認めるとみられており、量刑が争点となる見通しだ。

 仕事へのストレスがなぜ弱い立場の高齢患者に向けられたのか。同様の事件の再発防止のためにも、動機の解明が求められる。

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